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10月の映画鑑賞メモ

森田芳光『の・ようなもの』,1981年,日本,DVD
二ツ目の落語家志ん魚の青春。故・森田芳光の伝説のデビュー作。誰にでも「の・ようなもの」時代はあると思う。夢に向かって頑張ってはいるけど、半人前で、将来への不安がいっぱい。恋までどっちつかず。でも、この道が好き、同じ仲間がいるからつづけられる、みたいな時代が。夢を追う幸せがある一方で、才能を思い知らされたり、孤独だったり、そういう青春の混沌を都会的なセンスで、軽やかに、可笑しく、優しく描いていく。
名シーンと言われているけど、志ん魚が、深夜の街を「しんとと、しんとと…」とつぶやきながら、ひたすら歩くシーン。無表情だし、気持ちを吐きだすようなセリフは全くないんだけど、彼のぐっとこらえている悲しみとか、挫折感が滲み出て、彼の気持ちが手に取るように分かる。そして、あの語り口に希望がキラッと見えて、彼は大丈夫、落語家としてやっていけると思えてくる。都会的で現代的な青春の蹉跌。泣き叫んで、夕日にむかってバカヤローっていうのだけが青春映画じゃないのよ。
そして、醒めたユーモア、短いセリフ、ロングショット長回し、パンしないカメラ、荒削りだけど、森田監督らしさ全開。私は、オシャレなホテルの中庭で卓球するシーンに(笑)。当時、テニスが大流行してて、卓球はダサい暗いスポーツNo1だったからね。
「の・ようなもの」予告はこちらからどーぞーhttp://youtu.be/n2ILT3n6g-c

ヤーロン・ジルバーマン『25年目の管弦四重奏』,2012年,アメリカ,wowow
結成25年間のカルテットに、ヒビが入り始める。映画館で予告観て面白そうだったから録画しておいたんだけど、うーん、微妙。妥協を許さない芸術家同士のぶつかり合いとか、25年間の積もり積もってきた人間関係のヒビとか、それは分かるんだけど、自暴自棄の不倫とか、仲間の娘を寝取っちゃったとか、母娘の確執とか、ドラマを盛り上げのため、無理くり人間関係をこじらせてる感がある。こじれる必然性とか説得力が弱い。クリストファー・ウォーケン、フィリップ・シーモア・ホフマン、良い役者を使ってるのに残念。

アルフォンソ・キュアロン『ゼロ・グラビティ』,2013年,アメリカ,DVD
映像は凄い。無重力状態での人間の自然な動き。どうやって撮影したんだろうと思う。この映像はスクリーンで見たかったかも。しかし、内容は…新手のパニック映画といったところ。それ以上でも以下でもなし。