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思い出の食器

1950-60年代に作られたノリタケのBlueWaltzというシリーズ。グレーを基調にし、ブルーとピンクの小花の唐草模様。プレート、シュガーポット、ティーカップ、マグカップ、そしてミルクポット。ヤフオクですこしずつ揃えた。

121130bluewaltz.jpg

このBlueWaltzシリーズは、大昔に実家で使っていた洋食器で、母がひと揃い、嫁入り道具として持ってきたものだった。日常的に使っていた上に、我が家は私を含め特別にがさつな人たちの集まりだったので(笑)、使っているうちに一つ、また一つと壊れていき、私が家を出る頃には模様が剥げたプレートが2,3枚残っていただけだった。今はもうそれも残ってないと思う。

ある日、古道具屋さんのBlogを見ていたら、この食器の写真がupされていて、わぁ懐かしい!と感激した。子供の頃はずっと古くさいデザインだと思ってたけど、数十年経って再会してみると、昭和レトロっぽくて、なかなか素敵な器に思えてくるから不思議だ。ヤフオクで探してみると、出品数は少ないけど、あることはある。そんなに高くもない。安く出ているものを見つける度に落札していった。平均200-300円、シュガーポットだけは500円。幸いライバルもいなくて楽勝だった。
そして、これは予想もしなかったんだけど、実際に手にとってみると、昔の食卓の風景まで甦ってきたんである。当時ノリタケは高級な食器だったと思うけど、この皿に盛られていたのは特別な料理ではなくて、野菜炒めだったり、カレーだったり、トンカツが山盛りになってたなぁとか、パンやケーキを食べる時は、いつもこのカップとシュガーポットが置かれていたなぁとか、この食器には似合わない丸い卓袱台だったなぁとか、じーちゃん、このシュガーポットから砂糖をすくって、よくトーストに塗ってたなぁとか、そんなことまで。

私も食器は好きでちょいちょい買ってしまうけど、高価な食器は棚の奥~に仕舞いっぱなしで、日常的には雑貨屋で買ったものを使っていたりする。実家にあったBlueWaltzは、ちぐはぐな料理をのせられたり、手荒く扱われていたかもしれないけど、毎日のように20年近くも使われていたわけで、仕舞いっぱなしの食器よりは幸せな食器人生?だったかもな…とも思う(笑)。
これも何かの縁かもしれない、大切に使おう。まずはプレートにカレーを盛ってみたいな、子供の頃に食べた甘口でトロッとした「ヒデキカンゲキ!」appleみたいなやつ。

パティスリー・ドゥ・シェフ・フジウ アルカザール

H王子周辺にも、都心に負けず劣らない名店がある。その一つパティスリー・ドゥ・シェフ・フジウ(クリックするとHPへ)。日野市、高幡不動駅から歩いて1,2分。私がいちばん美味しいと思う洋菓子店。
フジウを知ったのは、かれこれ15年ぐらい前。昔、TVチャンピオンというオタクな知識や高度な技能を競い合う番組があって、ケーキ職人選手権に藤生シェフが出演していた。この番組に出場する人々の技術、情熱は生半可なものではない。そして、番組の中で、藤生シェフの店がこの辺りにある事を知ったのだった。せいぜい年1,2回ぐらいのペースだけれど、通うようになってからは結構長い。

この店の素晴らしいところは、何を食べても、感動的な美味しさであること。有名店でも看板商品は美味しいけど、他はうーん…普通かなぁというところもある。でも、フジウはケーキはもちろん、焼き菓子、ちょっとしたキャラメル、グミなどの小さなコンフィズリー(砂糖菓子)まで感動的。
HPを見てもらうと分かるけど、伝統菓子をベースにしていて、シュークリーム、プリン、モンブラン、ティラミス、ガトーバスク、オペラ、シブースト、サンマルクと…割とポピュラーなケーキが多いのだけど、それが藤生氏の手にかかると、もう今までこんなの食べたことない!っていう美味しさになる。もちろんオリジナルケーキも美味しい。全体的に味は上品なのだけど、素材の風味や香りは濃厚。素人にも、素材を厳選して、味も見た目も誠実に作られているのが分かる。そして、ここのケーキを食べると、いろいろあっても、目の前のケーキの美味しさしか考えられなくなり、幸せ~な気持ちMaxになれる。これ重要。

フジウのケーキは、ぜんぶ紹介したいぐらいだけど、今回は理由あってアルカザール。 

121125fujiu.jpgパティスリー・ドゥ・シェフ・フジウ
アルカザール
(手前)
1個350円くらい

バスク・オ・マロン(後ろ)

アルカザールはスペインの伝統菓子で、アーモンドと杏のケーキ。フジウの定番人気ケーキでもある。店で挽いているという皮付きのアーモンドプードルをたっぷり使った生地は香りが芳醇でコクがあり、しっとりやわらか。それを包むサブレタイプのタルト生地は、バター風味いっぱいでサクサク。これらのほどよい甘みのなかに、杏のコンフィチュールの甘酸っぱさが良いアクセント。どれも違う食感、風味なのに一体感がある。素朴だけど、深い味わい。以前は、杏じゃなくて、パイナップルを使っていたと思うのだが、現在のHPのケーキ紹介には杏と書かれているし、この味は杏だと思う。
後ろのバスク・オ・マロンは旦那が食べたけど、うまい、何コレ、すげー、とわけの分からないことを言っていた…。ガトー・バスクはフランスの伝統菓子で、アーモンド入りのサブレ生地にカスタードを詰めて焼いた菓子。フジウのは、サブレはざっくり、カスタードはねっちり濃厚。でも、全然くどくない。バターと卵とバニラの幸せなハーモニーが口いっぱいに広がる。
クリームやフルーツの華やかなケーキも良いけど、こういう素朴なケーキが評判の店ってあんまりないんじゃないかなぁ。

121126nisealcazarl.jpg”理由あって”の理由は、これ。偽アルカザールsweat02。自作。
『料理通信』(2008年9月号)に、フジウのアルカザールレシピ(パイナップルバージョン)が載っていたので、作ってみた。これはこれで美味しいのだけど、同じレシピで、どうしてこれだけ違ってしまうのかと。タルト生地は厚くてサクサク感がいまいち、アーモンドのケーキは膨らみすぎてどっしり感がなく、ボロボロ崩れてしまう。コンフィチュールは甘すぎてベトベト。全体のまとまりも悪い。もう一度、本物を食べて、研究しなおそうと思ったのだった。
再挑戦したら、また記事にするぜ!。一粒で二度美味しいネタ、いいわ~。

東京會舘 リキュールボンボン

飲み会の時に、ボスが奥様のために時々買うというお菓子presentの話を聞く。東京會舘のリキュールボンボン。奥様はお酒を飲めないけど、これは大好きなんだそうである。毎週木曜日発売、限定20箱と聞いて、いつか絶対に買いに行くぞ!と誓ったが、なかなかそのチャンスはなかった。
先週の金曜日。渋谷に出たついでにお遣い物の菓子折を買おうと思っていたのだが、リキュールボンボンのことを思い出す。ひょっとして、今日ならまだあるかもしれないぞ。かなり遠回りだけど、丸の内の東京會舘へ寄ってみることにする。

東京會舘は、国賓公賓の晩餐会をすることもあるってぐらい格式高い宴会場・結婚式場である。立派な建物の入り口にはガードマンが立っており、こういう場所に不慣れな田舎者が入るには勇気がいる。ガードマンやインフォメーションのお姉さんにチラッと見られただけで、怪しいヤツと思われてないかしらsweat01…とドキドキしながら、わたしお菓子買いに来ただけです!、怪しくありません!を全身でアピールし、脇目もふらず洋菓子Shopに直行。ガラスケースに並んだかわいらしいリキュールボンボンを見たときは、ここまで来た甲斐があったぜっー!と脳内ガッツポーズ(笑)。お遣い物と自分の分、2箱購入した。

121116bonbon.jpg東京會舘
リキュールボンボン
1箱 1575円

六角形の箱を開けた瞬間、

うわぁ~

乙女心(いくつになってもあるのよっ!)がくすぐられた。半透明でキラキラと輝いている。この宝石のような美しさを写真でお伝えすることが出来ないのが残念。
口の中でそっと転がしてると、上品な甘さが広がり、だんだんとリキュールの香りがただよってくる。次の瞬間、シャリっと薄氷のように割れて、リキュールがチュッと広がって、すっと消えていく。なんて良い香り、なんて繊細。白とピンクはマラスキーノ。サクランボのリキュールだけど、バラのような香り。グリーンはペパーミント、茶色はカカオのリキュール。グリーンがいちばん好きだけど、ちょっとしか入ってない(涙)。ボンボンは、濃い砂糖液を沸騰させ、そこにリキュールを混ぜて、表面を糖化(再結晶化)させたお菓子。アルコール分は少なく、お酒の香りはするけどお酒の味はほとんどしない。アルコールが飲めない人でも一粒二粒なら大丈夫だと思う。
そうねぇ、レースのテーブルクロスを敷いて、脚つきのガラスの器にボンボンを盛って、バラの花が描かれたリモージュのティーカップで、フリフリのドレスでも着て、お茶したいわ(←ボンボンを食べながら妄想)。

こんなお菓子を奥様に買って帰るなんて、ボス、乙女心をよく分かっていらっしゃる、見直したぜgood。ウチの旦那がたまーに買ってくるお菓子といえば、柿の種、えびせん、よっちゃんいか…別に私に買ってくるわけではなくて自分で食べたいだけ…orz。

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