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11月の映画鑑賞メモ

トニー・スコット『トゥルー・ロマンス』,1993年,アメリカ,DVD
脚本はタランティーノ。コミックストーリーの面白さを凝縮して実写にしてみたら、もの凄く面白くなったという映画。

夜会Vol16 本家今晩屋

見てきましたー。
昨年の「元祖今晩屋」の再演。「元祖」の方は、細かいところまで憶えていないが、元祖に比べてセリフが少なく、歌が増えた印象。8-9割が歌で進行する。「元祖」を見た時、似たような意味のセリフの繰り返し(輪廻がテーマになってるから仕方ないけど)、ウケを狙った小芝居が多くて、冗長な感じがあったが、それがスッキリとして、テーマの輪郭がよりくっきりとした感じがした。2回目なので、理解が深まったというのもあるのかもしれないけれど。
森鴎外『山椒大夫』がモチーフ。子供を人買いにさらわれた母、厨子王に待っているといいながら、その言葉を裏切るように自害した安寿(しのぶぐさ)、姉を犠牲にひとり逃げ、姉を迎えに行けなかった厨子王(わすれなぐさ、主典サカン=夜会では左官として登場)、そして彼らを見守れず自害した女中の姥竹。彼ら罪や後悔が、歌として展開する。今までの「夜会」のなかでも、ちょっと難解。
人が生きるということは罪を重ねること。♪有機体は、骨を喰らい♪、骨肉わけた人を裏切りながら、生きていく。それは、決して消えず、ずーっと背負い続けるもの。108つ除夜の鐘を聞いて、煩悩もキレイさっぱり忘れて、新しく生き直すなんてことはできない。人生では♪109番目の除夜の鐘♪が鳴り、嘘も、裏切りも、後悔も積みかさなっていく。例え、究極の人生リセット、生まれ変わっても、♪赤ん坊の手の中には「過去」があって♪、人生♪ちゃら♪になんかならない。罪と後悔は、海の底に沈んだ廃屋みたいに、心の奥底にいつまでも澱んでいる。けれど、本当に苦しみ、悲しんだ人は、赦されているんだよ。というのがテーマ(ざっくりしすぎだな…汗)のように思う。
夜会は、回を重ねる度に、「自己犠牲」、「罪」、「赦し」が、だんだんとテーマとして浮かび上がってきたように思う。「あの世」が出てくることも多くなった。世界観が大きくなっていくなぁ。。。
まだ私が青臭いからなのかもしれないけれど、現世主義の世俗人間だからかもしれないけれど、「あの世」での幸せとか、「あの世」で赦されるのはちょっと切ない気持ちになる。この世で、赦し、赦され、幸せになる道はないのかしら。赦すのも、赦されるのも、ただ悔いることより、ずっと辛いことだとは思うけど。